矯正治療の開始は、いつからが最適でしょうか?
治療方法によって治療開始時期は違います
ワイヤー矯正
永久歯がすべて生えていないと抜歯するかしないか判断できないため、12才~15才以上からの治療開始がいいといわれています。
外科矯正
骨の成長が終わらないと、どのくらい骨を切ったら良いかわからないので、女の子は高校生以上、男の子は大学生以上で身長が止まってから手術をします。術前矯正の開始時期は、歯並びの状態によって計画的に身長が止まる前から治療を始める場合もあります。顔の形にも問題のある方は、手術ができる歯科口腔外科と矯正歯科が両方ある病院(病院歯科口腔外科と提携している矯正認定医のいる歯科医院)に相談にいってください。
床矯正
永久歯の生えるスペース作りをする矯正法なので、若い方が骨がやわらかく広がりやすいので、永久歯がうまく並ばないと判断したら、10才までにほぼ広げおわるように低年齢(4才以降)低学年からの治療開始をおすすめしています。
(低学年のうちは、比較的素直に御両親や歯科医の話も聞いて協力的ですが、高学年以降になると反抗期に入り、言うことを聞いてくれなくなります。高学年以降では塾、部活、テスト、受験等でより忙しくなります。お年頃なのでお友達の目を気にして装置を日中つけたがりません。床矯正どころではなくなってしまうのが現実です。長時間つけられる低学年のうちにある程度スペースを確保して高学年からはスペースをキープしながら、トレーニングをつづけていくことをおすすめします)
<要注意!>低年齢からの治療なので予想がつきにくく、床矯正のみで終了する方もいますが、ワイヤー矯正・外科矯正も後で追加する治療が必要になり、矯正専門医へ転院になることがあります。
顔の成長は6才までに約80%が完了します
- 顔の成長は6才までに約80%が完了します。
- 6才から10才までは成長が減速します。
- 10才から2回目の成長スパートが始まります。
- 女の子は14才、男の子は19才頃まで成長します。
人間の顔は、2回の成長発育する時期があります。
1回目は、生まれてから6才までですから、生まれてから6才までのお子さんの顔は毎年変化します。でも小学生の間はあまり顔つきは変わりません。歯が並べない小さな顎は、1回目の顔の成長発育がうまくいかなかったのです。この時期の顎の発育が不良だったので、歯が並べない小さな顎になり、顎が萎縮していたのです。
11才になる小学校5年生から顔が再び変化します。6才までに正しく発育できなかった顔を10才までに治して11才からの2回目の成長発育には自分の力で発育させるのが大切だと考えます。2回目の成長発育の開始は、11才からで、女の子は14才ごろ発育が終了してしまいます。
治療の目的は、歯が並べばいいのではありません。
良い顔に発育するための正しい咬む刺激が必要なのです。発育不足の顎を10才までに機械的に治療して、11才以降は自分の咬む刺激で『良い顔』を作ることが床矯正治療の目的と考えています。歯並びの問題は単純に顎と歯だけの問題だけではありません。
一生の顔の形に関わる大切な問題です。床矯正の治療開始は、「おかしい」と感じた時が治療の時期です。
様子を見ていたら、発育不足の萎縮した顔のままです。特に女の子は約14才で発育が終了してしまう子もいます。「おかしい」と感じたら、様子を見ていないで矯正相談をおすすめします。